食品業界では従来の方法で大きな問題がなかったため、これまで非効率的な衛生管理が行われていました。従来の方法でもある程度の生産量には対応できますが、たまたまトラブルが起きなかっただけで将来的な保証はありません。経験上問題ないと思えてもトラブルが起きる可能性があり、万が一食中毒などが起きて訴訟になれば企業の社会的な評価は大きく低下してしまいます。消費者から相手にされなくなるだけでなく、取引先などからも関係を切られ営業が困難になる可能性があるので注意が必要です。

安定した事業運営を行うには、最も効果的な方法で衛生管理を行わなければなりません。日本の食品業界はHACCPの導入と運用が義務化されたことで大きく変わりつつあります。この手法はハサップやハセップと呼ばれており、宇宙食の安全性を高めるためアメリカで開発されました。HACCPを導入すると事業所全体でチームを結成し衛生管理を行うので、スタッフ全員の意識が向上します。

この手法では製品が出荷されるまでの全工程を細分化し、危害要因の分析に基づく総合的な衛生管理を行います。危害要因には細菌やウイルス、化学物質や異物など様々なものがありHACCPではそれぞれに最適な管理方法を定めます。日本の食品業界ではHACCPが導入されたため、以前よりも遥かに効果的な衛生管理が行われるようになっています。この手法は全ての工程と製品を対象としたリスク管理を行う点に特徴があります。

清潔な環境で生産活動が行われており消費者は安心して食品を購入できます。