食品を扱う企業の経営者は効率性と品質の両立を図らなければなりません。仮に効率的な手法で生産活動を行っていたとしても、品質に問題があれば顧客との間でトラブルに発展する可能性があります。顧客の信頼を得て安定した事業運営を行うためには、効率性と品質の両方を向上させなければなりません。より高品質な製品を短い納期で納品できる企業ほど顧客からの評判が高まりさらなる案件受注につながります。

反対に品質の低い製品を作りトラブルになった場合、評判が下がって案件を受注できなくなってしまいます。経営者が新規の顧客を獲得したり販売経路を増やしたいのであれば、効率性が優れているだけでなく様々な問題から食品の安全を守ることができるHACCPが重要です。HACCPはハサップやハセップとも呼ばれる手法で、個々の危害要因による健康被害を予測した上で具体的な管理方法を決定します。細菌やウイルスだけでなく化学物質や異物など、あらゆる危害要因を対象として徹底的な衛生管理を行う点に特徴があります。

しかも製品が出荷されるまでの全工程を細分化した上でリスク管理を行うため、不良品を見逃すことがありません。HACCPは事業所全体で全てのスタッフが関与する衛生管理手法です。非常に効率的な衛生管理が可能になるだけでなく、問題が起きた場合に素早く対処できるというメリットもあります。全ての工程を細分化するため原因を容易に究明でき、迅速に対処すれば企業の評価が下がるのを防ぐことができます。